Umeki Houseとは
家は、メディア化する余地を、大きく残している。
大人になってから、「誰かの家」へ遊びに行っているだろうか。
大学生くらいまでは、友人の家で遊ぶこともあった。
大人になるとよほど親しい間柄か、大規模なホームパーティーくらいでしか、誰かの家へ行く機会が減った。
家はプライベート空間であり、よく知らぬ人を簡単に招くものではないという暗黙のルールがある。
しかし、家をプライベート空間に限定しなければならない理由はないはずだ。
室町時代には、茶事の主催者がゲストを招く「茶室」が拡まった。
茶室における「ゲスト」とは、茶事の主催者と親しい間柄の人に限定されていたのだろうか。
必ずしも、そうではないだろう。
家に見知らぬ人を招き、ゲストが好むお茶菓子でもてなし、部屋にあるアートを鑑賞し語らい、時には共にサッカーゲームを楽しむ。
茶室の本質とは、お茶を飲むことではない。
お茶を媒介としたコミュニケーションだ。
キュレーションされたアートやお茶菓子を通した新しいモノの見方と、時には新しい人の出会い。
令和の時代に、そんなカジュアルで現代的な茶室を麻布十番に開きたい。
それが、ウメキハウスだ。
2019年10月4日 梅木雄平